マーケットコラム

2016年の株式市場のリスク要因

【世界のリスク要因は増加傾向】
年初から始まった株価の下落もようやくひと段落してきたが、一方で投資先を選びづらい局面でもある。

日本の日経平均株価は円高の影響、日銀短観の悪化を受けて下落傾向。
アメリカのNYダウ指数は上昇しているが、米国経済が回復しているという訳ではない。何らかの”リスク要因”が顕在化すれば下落していく可能性がある。

それでは、現段階で考えられる2016年の”リスク要因”とは何かを整理しておく。

「アベノミクスの金融緩和弾切れによる失望感」
→量的緩和で買い取る国債にも限界があり、マイナス金利もあまり評判が良くない。次は地方債の購入などが考えられるが、日本経済も悪化傾向で手詰まり感が出てきている。この状況で消費税増税が決定したら、さらに経済が悪化してしまう。

「米国金融緩和の出口戦略失敗」
→2009年から始めた。金融緩和の出口戦略に入っているが、米国経済が思った程回復しておらず、製造不況とも言われており出口が見えない。むしろ、金融緩和をして来たのに、景気が悪化していく可能性さえある。

「中国経済のさらなる減速」
→事実上、不動産・株式バブルは崩壊したと見て良いだろう。2月の鉱工業生産指数は前年同期比5.4パーセント増とリーマンショックの最低水準まで下がっており、好調だった消費も悪化し始めている(筆者としてはこれが1番問題)。株価の上海総合指数は回復しているが、今後さらなる問題が起きてもおかしくない。

「原油安」
→OPEC(石油輸出機構)が生産調整をする可能性があるという観測で原油価格が一時上がっていたが、今年に関しては生産調整の可能性は低いと考えている。サウジアラビアは過去に減産調整を行って、シェアーを他国に奪われたことがあり、OPEC一斉での生産調整でない限り、実行するつもりはないだろう。経済制裁を解かれたイランは経済を回復させるために増産を続けるだろうから、足並みは揃わずに生産調整は当面難しい。原油の実需も世界経済が減速しているため、すぐ伸びることもなく、再度原油が強く下落する可能性もある。

「IS(イスラム国)によるテロ活動」
→フランスのパリ、ベルギーのブリュッセルとヨーロッパの主要都市がISのテロ被害を受けている、これによりヨーロッパの観光、世界の旅行・航空産業が悪影響が出ている。今後もISによるテロ活動が続くと世界経済への悪影響が増大しかねない。

以上が現在ある主なリスク要因である。
2014年、2015年に比べてリスク要因が増していると筆者は考えている。
そのため昨年までのような株高にはなり難いと考えており、リスクを抑えた投資が必要だろう。

 

文責:中島隆